倉敷美観地区の阿智神社は神秘の古代庭園も必見!

倉敷の観光のメッカといえば美観地区ですが、その一角、鶴形山の山頂に鎮座する阿智神社はご存知でしょうか?
阿智神社は、倉敷市の総鎮守であり、創祀1700年を越える古社です。古代からの伝説と遺跡を今に伝える、知る人ぞ知る趣深いこの神社を探訪していきましょう!

目次

神社名の由来は渡来してきた漢の一族から

時は4世紀・応神天皇の御世に、朝鮮半島から漢の皇帝の子孫である「阿知使主(あちのおみ)」一族が渡来して、製鉄や土木、機織などの技術を伝え、吉備国の繁栄の礎を築きました。以来この地に住み着いた一族が、鶴形山に造った庭園が神社の元となったと伝えられています。
前身は「妙見宮」という神仏習合の寺社でしたが、明治期の「神仏分離令」によって神社部分を分けられた折に、この阿知使主一族の功績を称え、阿智神社と命名されました。(仏教寺としての妙見宮は「観龍寺」として同じ美観地区にあります。)
「妙見宮」は、神功皇后(応神天皇の母)が航海中、嵐に遭い祈願されたところ、三振りの剣が鶴形山に天より明るく輝いて降りてきたという伝説から「明剣宮」とも表記されていました。古事記に登場する人物の伝説に、古代史ファンならずとも空想をかきたてられますね!

倉敷は江戸初期まで海だった!海上交通の守護神が御祭神

御祭神は、海の守護神である「宗像三女神」です。岡山平野は古来、「吉備の穴海」と呼ばれる海域で、現在神社のある鶴形山は、内亀島という島でした。このあたりは交通の要衝だったことから、海上交通の守護神とされる宗像三女神を祀ったとされています。そのため、商売繁盛や交通安全にご利益があるといわれますが、宗像三女神は、財宝や芸術、美の神でもあります。
なんといっても女神様ですからね!お参りすると女子力がアップする等という噂もあり、近年女性の参拝客も増えているそうです。

長い階段を登って神様のもとへ・・・

美観地区の北側を散策していると、ふと現れる石段。神社へ通じるこの最初の石段だけでもかなり長いものですが、実は上へと上がるにつれて、それぞれ名前の付いた石段が次々と連なっているのです。

名前は段数に基づいていて、最初の88段は「米寿段」、次の61段には「還暦段」、随神門へ続く33段には「厄除段」といいます。一度聞いたら忘れられない名前ですね。
そして、随神門をくぐった内側に7段、拝殿の5段、更に荒神社の3段を登ると母なる神の身の内、生命力の根源に達するとされています。しかし「生命力の根源」に達するまでに精も根も尽き果ててしまわぬように、休み休みいきましょう!

日本最古の鶴亀様式の古代庭園「天津磐境(あまついわさか)」

境内には様々な遺跡や建造物、摂社があり、すべてご紹介しきれないほどです。
中でも珍しいのが、本殿西側にある「天津磐境」と呼ばれる、鶴組石と亀組石が配置された磐境(いわさか)です。磐境とは、祭祀を行う石垣で囲んだ強力な神域のことで、鶴石・亀石は祭事に神が降臨するといわれる「磐座(いわくら)」にあたります。
日本古来の磐境・磐座に、中国から伝来した鶴亀石などの神仙思想や陰陽思想を取り入れたこの庭園は、日本庭園の石組の起源を示すものとして、日本代表庭園に推奨されています。境内には他にも磐境や磐座が点在しており、神が宿る島としてあがめられてきた鶴形山の歴史と神秘が、四方に満ちています。

絵馬殿からは街も一望できる(天井も見上げてね)

旧本殿を移築して造られた絵馬殿は、とても見晴らしがよく市内を一望できる場所なので、ひそかな撮影スポットとなっています。散策してきた道筋や立ち寄った建物などを眺めつつ、旅の安全を感謝・祈願できるとよいですね。


絵馬殿

絵馬殿の見どころはもう一つ、天井を見上げると目を引く、見事な彩色を施した干支恵方盤です。それぞれの干支は立体的に浮き上がっていてユーモラスです。忘れずにご覧あれ!

日本一大きい曙藤「阿知の藤」

境内の北側には、県天然記念物である「阿知の藤」があります。曙藤という品種の中では全国一の大きさで、樹齢は約500年と推定され、20メートル近くまで枝を広げています。生命力や豊穣の象徴として神社を静かに支えているかのようです。
阿智神社の境内には、他に最長寿のモッコクがあり、こちらは「縁結びの木」と呼ばれて観光客の人気を集めています。

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阿智神社の御朱印とお守り

阿智神社では、御朱印がいただけます。
また、うさぎと藤の花がモチーフになった紫色の可愛いオリジナルの御朱印帳も人気のようです。
藤の実にかけた「藤実(不死身)守り」はご利益期待できそうですね!

けいこさん(@obaaaa813)がシェアした投稿

まとめ

阿智神社を通して倉敷を眺めると、倉敷の風景のみならず、街の成立ちまで違った視点から見ることができて面白いですね。倉敷観光の締めにふさわしい立地と風格のある阿智神社へ、ぜひ足を延ばしてみてくださいね!

阿智神社の基本情報

阿智神社の御祭神

  • 宗像三女神

相殿

  • 応神天皇
  • 約三十柱神


阿智神社のご利益

交通交易、商売繁盛、美容、勝負運、縁結び

住所&アクセス

〒710-0054 岡山県倉敷市本町12−1

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