高麗山聖天院は、奈良時代に渡来した高麗人の長、高麗王若光の菩提寺として751年に創建された歴史ある寺です。
若光は「出世開運の神様」として近隣の高麗神社に祀られていますが、菩提寺の聖天院も出世運を授かる寺とされています。
異国情緒あふれる古刹として見どころ満載の観光スポットであり、かつ武蔵野観音巡礼の第26番札所として、年々多くの参拝者が足を運んでいるその魅力をご紹介します!
目次
江戸時代に建立された重厚な山門
参道のつきあたりにまず目に入るのは、1832年に建立された山門(雷門)。
8mを超える高さがあり、迫力満点です。日高市の指定文化財である堂々たる風神雷神像が壮観です。
山門の右手には、高麗王若光の墓があります。5個の砂岩を重ねた素朴な石塔で、鎌倉時代以前の建立とされます。こちらも日高市の指定文化財です。
山門前には、東京芝増上寺からの石灯籠があり、山門との相乗効果で寺の重厚感を醸し出しています。
階段を上がり受付へ
山門を抜け石段を上がると中門があり、こちらで拝顔受付をします。ご朱印は拝顔料の支払いと一緒に申込みします。私が武蔵野観音巡礼をはじめたきっかけは、実はこの受付の気さくなおばさんに(半ば強引に?)勧められたからでした。
正直なところ、その時点でコレといった信念も、仏教への深い興味があったわけでもありません。しかし、「ここから何かを始めたら人生が好転するのではないか?」と決断を促すような良い「気」がこのお寺には確かにあった、と思います。
美しい庭園と阿弥陀堂
中門を入っていよいよ境内へ。目の前には手入れの行き届いた、池を中心とした美しい庭園が。ずっと傍にたたずんでいたいと思うような趣があります。
庭園の左手に阿弥陀堂があります。この阿弥陀堂は寺の敷地内にある最古の建築物で、室町時代に建立されました。まばゆいばかりにきらびやかな阿弥陀三尊を中心に、十王像、そして武蔵野観音巡礼の本尊である聖観音などが安置されています。
阿弥陀堂
いよいよ本堂へ
阿弥陀堂からさらに石段を上がると(階段多し。体力要!)、壮大な本堂に至ります。
石段脇には仁王像が二体、もう少しで本堂だと励ましてくれるのですが、いかんせんつらいものが。
もともと本堂は庭園の前あたりにあったのですが、老朽化が進んでいたため、裏山を平らにならして2000年に現在の場所に建て替えられました。本尊の不動明王の胎内には、弘法大師が刻んだ不動明王立像が納められていると伝えられています。本堂近くには国の指定重要文化財の鐘楼や、高麗王若光の像があります。
鐘楼
高麗王若光の像
本堂前からの眺望は最高でした。眼下に広がる武蔵野を眺めれば、このお寺がずいぶん高台にあることを改めて認識します。天気が良い日には富士山まで見通せます。
遠くには富士山、目の前には帰化人たちのフロンティアスピリット息づく町並み。ここに立っていると、なんでもできそうな気がしてきます。これが出世開運をもたらすといわれる由縁かもしれません。
朝鮮文化と歴史を伝えるエリアへ
標高が上がるにつれて、寺内は韓国の濃度が深まっていきます。鐘楼の更に上部には慰霊塔があり、第2次世界大戦で亡くなられた方の無縁仏を弔っています。
韓流好きな方は、朝鮮史上の偉人の像や石碑などに心動かされることでしょう。
高麗神社も参拝してさらなる開運を祈願
ざっとご紹介したように、聖天院は歴史・韓流・巡礼など、様々な興味から訪れる方が多種多様に渡っている点で、他に類を見ない寺院です。
なお、高麗王若光を祀った高麗神社は、参拝した日本の政治家のうち6人が総理大臣に出世しています。韓国スターもお忍びでヒット祈願に訪れるという噂も。社内で出世したいどころか、高麗王若光のように国を飛び出してワールドワイドに活躍する新天地を求めている方も、ぜひ聖天院・高麗神社合わせて参拝してみてください。
高麗神社の将軍票
高麗山聖天院
〒350-1243 埼玉県日高市新堀990-1
高麗神社
〒350-1243 埼玉県日高市新堀833
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