鞍馬寺散歩|京都最強のパワースポット(前編)

京都市左京区にある鞍馬寺は、「京都最強のパワースポット」!
その理由は、鞍馬寺の鎮座する鞍馬山にあります。
鞍馬山は、古来より古神道や密教の修行場であり、山自体に神聖な力が宿っていると言われています。平安時代には、平安京の真北の方角から邪気がやってくるとされていましたが、鞍馬の地は都からちょうど真北にあたり、鞍馬山が邪気の侵入を妨げる霊山として崇められていました。
また、鞍馬は天狗の住まう地としても有名で、牛若丸(源義経)が武芸の修行に励み、天狗に兵法を教わったという逸話や名跡が数多く残されています。
この度は、こうした数々の神秘的な伝説やパワースポットで彩られた鞍馬寺を訪れてみました。

鞍馬寺の由来

鞍馬寺の創建は奈良時代末期とされています。
唐から日本に渡来した鑑真の弟子である鑑禎(がんてい)が、鞍馬山の山中で鬼女に襲われたところ、毘沙門天に助けられたことから、宝亀元(770)年に鞍馬山に毘沙門天を祀る草庵を結んだのが始まりです。
その後、延暦15(796)年に、観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を信仰する藤原伊勢人(ふじわらのいせんど)が、千手観音(せんじゅかんのん)像を毘沙門天とともに祀りました。これを、鞍馬寺の始まりとする説もあります。
ちなみに、藤原伊勢人は神のお告げを受けたため、鞍をつけた白馬を追うと鞍馬山で毘沙門天を祀る小堂を探し当てたといわれています。
このことから、「暗く」「魔」が棲む場所として「暗魔」と表記されていたのが、「鞍馬」に転じたという言い伝えが残っています。

鞍馬寺は、9世紀末頃は真言宗の寺でしたが、平安末期には天台宗の寺となり、天皇家や藤原家から信仰されて栄えました。その後、延暦寺の末寺になりましたが、昭和24(1949)年に天台宗から独立し、鞍馬弘教総本山となりました。

本堂まで徒歩での参拝がおすすめ!

鞍馬寺の本堂は山上にあり、専用のケーブルカーで登ることが可能ですが、できればケーブルカーを使わずに徒歩で参拝することをおすすめします。
仁王門から本堂までは徒歩で約30分。ご神体である鞍馬山の空気を味わいながらゆっくり登ると、ほどよい運動になり、山のエネルギーもいただけますよ。
また、鞍馬寺から貴船神社は歩いて行ける距離にあります。鞍馬寺の本堂を参拝後、下りは貴船神社側の西門の方へ下山すると併せて参拝可能です。
この度は、ケーブルカーを使わずに徒歩で参拝したコースでご紹介していきます。

叡山電鉄「鞍馬」駅を下車したら、まず出迎えてくれるのが大きな鞍馬天狗。そこから徒歩数分で仁王門が見えてきます。
仁王門で注目したいのが、狛犬ならぬ狛虎(?)、「阿吽の虎(あうんのとら)」。


鞍馬山のご本尊である毘沙門天の使いは虎なので、狛犬に代わって虎が門を守護しています。鑑禎が鬼女に襲われたときに毘沙門天が降り立ったのも、虎の月・虎の日・虎の刻だったといわれています。
この辺りから空気が違っていて、ひんやりとした冷気に包まれます。仁王門が俗界と浄域との結界であることがよく体感できます。
仁王門をくぐって、いよいよ本殿を目指します!

境内にある「由岐(ゆき)神社」は霊験あらたかな神社

少し歩くと「鬼一法眼(きいちほんげん)社」が見えてきます。「鬼一法眼」とは陰陽師かつ文武に優れた兵法家で、中国から伝来した「六韜三略(りくとうさんりゃく)」という兵法書を牛若丸に授けたといわれています。「六韜三略」は俗にいう“虎の巻”の由来であって、その中の兵法の極意が書かれている箇所が「虎の巻」であるとか。ここでも「虎」つながりがあって面白いですね。
※平成30年(2018)台風21号の影響により、訪問時は社殿は被害を受けて損壊していました。

鬼一法眼社からすぐのところに、「由岐神社」があります。

由岐神社は文慶3(940)年創建で、京都三大奇祭の一つ「鞍馬の火祭」を行う神社です。もともとは京都御所内にありましたが、大地震や平将門の乱で世が安定しないので、時の朱雀天皇が御所内に祀ってあった由岐大明神を、邪気の入ってくる方角である北を守護するために鞍馬に移されたのが由来です。
由岐大明神を遷宮する儀式の折、たいまつを掲げた1kmに及ぶ行列が荘厳で大変見事だったことが、後の火祭の起源となったといわれています。
由岐神社の狛犬は、子供を抱いている非常に珍しいものなので、子授かりや安産の神様として信仰されるほか、火難除けや商売繁盛などのご利益があります。


ぼやけちゃってますが、確かに子どもを抱いています💦

由岐神社の拝殿の手前には「大杉さん」と呼ばれて親しまれている御神木が立っています。ここで一心に願い事をすれば叶うといわれているので、ぜひ訪れてくださいね。

由岐神社では、天狗のキーホルダーの中におみくじが入っている「天狗みくじ」があります。このおみくじは鞍馬寺の本堂には無いもので、天狗の顔が一つ一つ異なっているのが特徴。気に入ったものを選んだら、おみくじのご神託がより自分に向けられた、ありがたいものに感じますよ。



運勢は吉でした!

さて、この鞍馬寺の参道、通称「九十九(つづら)折りの参道」は、枕草子の中で清少納言が「近うて遠きもの」として「くらまの九十九(つづら)折りといふ道」と挙げているように、元々は頂上がすぐそこに見えているのに道がくねくねしていてなかなか辿りつけない道だったようです。現在道は整備されていますが、なるべく歩きやすい恰好・靴で参拝してくださいね。

由岐神社から20分ほどで、本殿に到着しました!

ご本尊は「尊天」~宇宙のエネルギーそのもの

鞍馬寺の本殿前は開放的な空間が広がっています。この本殿前の石畳には六芒星が描かれており「金剛床」と呼ばれ、鞍馬寺の人気スポット!!
金剛床については後編で触れます。本殿には実は地下があり、「宝殿」と呼ばれています。誰でも行くことができますが、中は真っ暗で、信者の洗い清めた髪を壺に入れて奉納してあります。

宝殿は、鞍馬山の教えを形に表してある場所だそうですが、参拝時には誰もおらず、静かでかなり神秘的な雰囲気でした。

本殿に祀られているのは「毘沙門天」「千手観世音菩薩」「護法魔王尊(ごほうまおうそん)」の三尊です。この三身が一体になったものが「尊天」と呼ばれ、鞍馬寺の本尊として崇められています。
尊天とは、「この世のすべての生命を生かし、存在させる宇宙エネルギー」のことです。
神仏の区別を超えて、この世のありとあらゆるものの姿となって現れる、宇宙の真理そのもののことを指します。


(お堂内は撮影不可のため、外から📷)

尊天の働きは月・太陽・大地の三つのエネルギーで現れ、千手観世音菩薩は「月輪の精霊」、毘沙門天は「太陽の精霊」、護法魔王尊は「大地の霊王」として姿を現されます。
神仏といった括りにとらわれず、宇宙のエネルギーの顕現としての尊天を信仰しているとは、とてもスケールが大きい!鞍馬寺が京都最強のパワースポットと呼ばれる所以がここにもありますね。
私たちが生かされている宇宙に感謝をささげ、この世のすべての生命を大切にし、自分の魂を向上させていく決意を抱いたときに、鞍馬寺からより大きなパワーをいただけるのではないでしょうか。
千手観世音菩薩は“愛”の象徴、毘沙門天は“光”の象徴、護法魔王尊は“力”の象徴とも言われます。参拝の際は、「月のように美しく、太陽のように暖かく、大地のように力強く」と祈り、「すべては尊天にてまします」と唱えるとよいとのこと。

尊天
月輪の精霊 ― 愛 =「千手観世音菩薩
太陽の精霊 ― 光 =「毘沙門天
大地の霊王 ― 力 =「護法魔王尊

護法魔王尊とは?

さて、尊天の中で毘沙門天や千手観音はなじみがあっても、「護法魔王尊」とは?なんといっても「魔王」だなんて、闇キャラ!?みたいな名前で不思議な感じがしますね。
しかし、護法魔王尊は魔界の王ではなく、前述のように「大地の霊王」として地球を象徴する存在なのです。約650万年前に人類救済の使命を帯びて金星から鞍馬山に降り立った「サナト・クマラ」だという説もあります。地球外から来た護法魔王尊は、16歳から歳をとらないといわれています。
護法魔王尊=サナト・クマラとする説が有力ですが、護法魔王尊=大天狗説もかなり信ぴょう性が高いです。


(本殿前の狛犬(狛虎)さま)

鞍馬山にはご存じのように、山の精霊である大天狗が棲んでいるとされていますね。
大天狗は「僧正坊」と呼ばれ、天狗の中でも最高位の一番偉い天狗です。護法魔王尊はこの「僧正坊」ではないかと推測されるのには、実は訳があります。
護法魔王尊をはじめ、尊天の三身はいずれも秘仏ですが、60年に一度、丙寅(ひのえとら)の年に公開されます。
その秘仏である護法魔王尊像は、背中に羽があり鼻が高い、まるで天狗のような姿なのです!次の丙寅の年は2046年。それまで元気で生きていてぜひ秘仏をこの目で確かめてみたいですね。
とは言え、尊天はありとあらゆる神仏や森羅万象に、その本質を損なわずに現われるとされているから、実は護法魔王尊はサナト・クマラでもあり、大天狗でもあり、なんでも正解なのでした(笑)

後編へ続く!!

(訪問:2019年2月)

鞍馬寺の基本情報

住所&アクセス

〒601-1111 京都市左京区鞍馬本町1074番地

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