運気アップ・縁結び…水の気宿る貴船神社

平安朝の女流歌人、和泉式部の歌に詠まれた京都の「貴船神社」は、全国に約450ある貴船神社の総本社です。
貴船神社の主祭神は水の神様で、祈雨の神として信仰を集めてきました。貴船の地は御所の真北に当たり、貴船川が鴨川の源流であるため、平安京に遷都後も都の水源を守る神様として結界が引かれていたという、深山にひっそりと佇む神聖な古宮です。日本屈指のパワースポットとされる幻想的なこの神社を訪れてみました。

目次

生命力・気力が充実するパワースポット

創建年代は定かではありませんが約1600年前とされ、社伝によれば、日本の初代天皇である神武天皇の母、玉依姫命が5世紀初頭に水源の地を求め、淀川から鴨川、貴船川を黄色い船に乗って遡られ、現在の奥宮に当たる場所に水神を祀るようご神託を下されたのが始まりとのこと。
社名の「貴船」は、この「黄船」に由来するとされますが、“気の生じる根源”という意味の「気生根」「気生嶺」とも称されたことから、古来より生きる気力を充実させ、運気アップや開運につながる神社であると言われています。なお、水神様の清水が濁らず清らかであり続けるようにとの願いを呼び名に込めて、貴船神社の「貴船」は、「きふね」と濁らずに発音します。

お参りするならこのルートで

神社は貴船川に沿って順番に、本宮・結社・奥宮と社がありますが、お参りするにあたっては、本宮の次に奥宮へ参り、その帰りがけに結社にお参りするのが正式とされています。これを「三社詣」と言って、この順でお参りすると願いごとが叶うとされています。
また、縁結びにご利益があるのでカップルでの参拝が多いのですが、男女でお参りすると陰陽のバランスが崩れるといわれますので、男女は別々に鳥居をくぐった方がよいとのこと。
叡山電鉄鞍馬線「貴船口」駅より降り立つと、ほどなくして第一の鳥居が見えてきます。この鳥居をくぐり、徒歩で約30分貴船川沿いを登って行くと本宮が見えてきます。バスもありますが、境内のみならず貴船の地一帯が命の水を守る神域ですので、ハイキングがてら徒歩で参拝すると、より水と森のエネルギーが体内に伝わり、気力も回復するかと思いました。
朱塗りの灯籠で彩られた美しい石段を登るといよいよ本宮です。

ご神託が浮かび上がる「水占みくじ」

本宮のご祭神は「高龗神(たかおかみのかみ)」です。龗(おかみ)は龍を表す古語であり、高龗神は水を司る“山上の龍神”。
社殿前の石垣から流れる御神水は、夏は冷たく冬は温かみのある弱アルカリ性の天然水です。とても浄化作用が強く、眼病や婦人病にも効用があるというこの水は、今まで一度も枯れたことがないといわれています。持ち帰ることも可能ですが、ぜひ一口ご賞味を。
また、御神水におみくじを浮かべて占う「水占みくじ」は有名ですね。かなり当たると評判です。

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御神水

絵馬発祥の地

貴船神社では、祈雨の際に、晴天を願う場合は白馬、雨天を願う場合は黒馬を神馬として奉納していました。時代の変遷に伴い、馬の代わりに「板立馬」が奉納されるようになり、それが現在の絵馬の原型となったとのことです。本宮にはその由来を記した看板と神馬の像があります。神社の絵馬には神馬や和泉式部、龍神の姿が描かれており、どれも請願成就を祈念するにふさわしい、素敵なモチーフとなっています。

奥宮は神社随一のパワースポット

さて、本宮の次は奥宮へ参りました。奥宮のご祭神は本宮と同じ「高龗神」ですが、「闇龗神(くらおかみのかみ)」も併せて祀られているとも言われます。「闇龗神」は“谷底暗闇の龍神”。しかし、「高龗神」と同一の神という説もあり、いずれにしても水を司る神様です。その名を暗示するがごとく、奥宮の本殿の真下には、「龍穴」と呼ばれる大きな穴が開いており、誰も見ることができないのだとか。「龍穴」は大地の気が集まっている場所。
地底から湧き上がる龍神様のパワーを受け止めようと、境内に長い時間佇んで深呼吸を繰り返しました。

奥宮

この神様は、船玉神として航海の安全を守る神でもあるためか、玉依姫命の黄船を隠して小石を積み上げたものだとされる「船形石」が、奥宮の本殿西側にあります。この船形石周辺の小石を、旅行や航海の安全を願って持ち帰る人もいるそうです。恐れ多いので私は持ち帰りはしませんでしたが(;^ω^)

船形石

縁結びの結社へ

三社詣の最後は結社(ゆいのやしろ)です。言わずと知れた縁結びにご利益がある社ですが、男女の恋愛のみならず、人と人、子授け等あらゆる縁を結んでくださるそうです。
ご祭神は「磐長姫命(いわながひめのみこと)」。姉妹でお嫁にいったはずが、容姿の美しい妹、木花開耶姫命だけ気に入られ、醜い姉の磐長姫命は帰されてしまったという、哀しい逸話の神様です。しかし、心の清らかな方だったらしく、他の人の願いごとは叶えてあげたいとこの地にご鎮座されたとか。
和泉式部が参拝したのは奥宮でしたが、参拝後に夫の心を取り戻したのは、式部のいちずな思いに神が打たれたからなのでしょうか。真摯にお参りしたいですね。

結社

貴船神社の御朱印

最後に社務所に立ち寄り御朱印をいただきました。
縁結びのお守りや運気龍昇の龍神札、珍しいところでは大漁祈願のリアルなルアーのお守り等、貴船神社ならではの授与品がありましたよ。

水の気宿る神社

貴船神社に参拝中、水の神様を祀っているためか、本宮から結社、奥宮までの道中、ずっと水を感じていました。たまたま参拝した日は小雨が降っていたこともありますが、神域は絶えず清らかな御神水が湧き出ていて、横に穏やかに流れる清流、貴船川のせせらぎの音を聞きながら足を進めるごとに、心身共に浄化される心地になりました。
人の身体の大部分は水でできているといわれますね。その身体を支える水をまるごと浄化されるから、生命力が内側からよみがえるのでしょうか?
どうかひとたび、静寂の時間の中で、せせらぎの音に癒されながら貴船神社に参拝なさってみてください。

ご神木の桂

貴船神社の基本情報

貴船神社の御祭神

  • 本宮 高龗神(たかおかみのかみ)
  • 結社 磐長姫命(いわながひめのみこと)
  • 奥宮 高龗神(たかおかみのかみ)

貴船神社のご利益

運気上昇、縁結び、所願成就


住所&アクセス

〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180

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