織物の神様と封じられた星の神様を祀る大甕神社

大ヒット映画「君の名は。」のスピンオフ小説に登場し、ファンの間で話題になっているのが、茨城県日立市の「大甕(おおみか)神社」です。
正式名称を「大甕倭文(おおみかしず)神宮」といい、創建は不明ですが、社伝によると紀元前660年と言われています。
小説の舞台を彩るこの神社には、どんな由来があるのでしょうか?さっそくご案内していきましょう!

目次

ご祭神は二神「武葉槌命(たけはづちのみこと)」と「天津甕星(あまつみかぼし)」

武葉槌命は、「倭文神(しずりのかみ)」とも呼ばれます。「倭文」とは織物のことです。武葉槌命は女性で、織物の神様。
一方、天津甕星は、別名を「天香香背男(あめのかがせお)」「甕星香香背男」と呼ばれる、男性の星の神様です。
「香香(かが)」は「輝く」の意味で、江戸時代の国学者・平田篤胤によると、この神様の「星」とは、「金星」のことを指しているとか。
そしてこの二神の関係が、神社の由来に深く関わっているのです。

天津甕星は、古事記には登場せず、日本書紀にのみ記載がありますが、その扱いは「悪神」!
社伝によると、常陸国の大甕山に住んでいて、東北で勢力をふるっていたのだけれど、まあすごい暴れん坊だったので、香取神宮のフツヌシと鹿島神宮のタケミカヅチの二武神が総出で平定にかかっても、なかなか征服できなかったのだとか。
そこを、織物の女神様がうまく?天津甕星の荒魂を岩山に封印することによって平定したのだという、嘘のようなホント?の話。
「柔よく剛を制す」というのか、一説によると星を織り込んで布を織ったのが功を奏したらしいです。
武葉槌命が天津甕星の荒魂を閉じ込めた岩が、「宿魂石(しゅくこんせき)」という名で大甕神社にあります。この石については後ほどお話しします。


それにしても天津甕星は「悪神」扱いになっていますけれど、それは勝者側からの論理であって、東北を治めていただけの力量や人望はあったのではないでしょうか?
この天香香背男(天津甕星)を祀っている「星宮神社」は、栃木県を中心に、各地に存在しています。

神社でプチロッククライミング?!


大鳥居をくぐると、立派な社殿が見えてきます。本殿のように思えますが実はこちらは拝殿。
本殿はというと、この建物の横に「御本殿参道」という看板があります。参道と言っても石段が上に伸びており、その上のほうに「宿魂石」と文字が掘ってある大きな石が。

自然のままの岩を利用しているためか、やけにごつごつしているなあと思いつつ上がって行くと・・・
なんと、大きな岩に、鎖がたれさがっているではありませんか?!

どうやら本殿を参拝するには、この鎖を使って岩をよじ登る必要があるそうなのです。

所要時間約5分。こちらの神社にはスニーカーなど運動に適した靴でいらしてくださいね。先ほどの拝殿は、この「ロッククライミング」が困難な方のためのようです。
ちなみに、この岩山全体が、天津甕星の魂が封印されている「宿魂石」なのだとか。とても強いパワーが出ているそうなので、心して登りましょう!

本殿を参拝後は、甕星神社へ

本殿は深緑の境内に溶け込むようにひっそりと、控えめな建物でした。

さて、あがめられているというよりは、封印された存在だと人の目にもはっきりわかるように配置されている、そんな印象の天津甕星。しかし、この神様を祀った社もちゃんとあります。ようやく登った先にある本殿に無事お参りを済ませたのちは、下へ向かう階段を下りていきます。その先にあるのが「甕星神社」。天津甕星が祀られている神社です。

星の神様のためか、神社の屋根に燦然と輝く☆マークが。こちらもしっかりとお参りしましょう。

ご朱印は2種類・金文字のご朱印あり

無事に参拝を済ませた後は、神社のご朱印を頂きにあがりましょう。こちらの神社では、神社本体のものと、天津甕星(甕星香香背男)のものの2種類いただけます。香香背男のものは星神様だからか、金色の文字で書かれています!香香(かが)(輝)やかしい~!

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ご朱印帳は神主さんの手作りで、月ごとに変わるそうで、これまた人気の秘密です。

大甕神社を参拝されるなら、1日はいかがでしょうか。
甕星香香背男の荒魂が宿った宿魂石を御内符にした限定のお守り「甕星守」が授与されます。
夜の世界を支配する強い霊力を授かることができるそうですよ!なんだかすごいパワーを手に入れられそう・・・

日立、大洗サイクリング、日立エリア。⛩🚴‍♂️🚴‍♂️ 封じられた星の神、甕星香々背男を祀る大甕神社の毎月1日にしか買えない「甕星守」⭐️ 夜の世界を支配する強い霊力を授かり一陽来復のご利益があるそうです。✨ 並んではいなかったのですが参拝にきてお守りを買って行く人が結構いましたよ。 #サイクリング #ロードバイク #自転車 #bycicle #cycling #roadbike #大甕神社 #甕星守 #1日限定お守り #限定お守り #限定 #お守り #御守り #japan #photo #茨城 #日立 #神社 #神社巡り #御朱印 #御朱印巡り #ゴールデンウィーク #休日

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まとめ

参拝のコツとしては、まず近くにある泉神社で心身をクリアにしてから、大甕神社に正面から参拝するとよいとのこと。
人生を自分の力で切り開いていく現実的なパワーがほしい人におすすめだそうです。
不思議な伝説に満ちていた大甕神社でしたが、ご祭神の織物の神様は織姫、星の神様は彦星を連想させ、七夕伝説はこの二神の神話がもとになっているのではないかという説もあるようです。
古来から日本人に親しまれてきた日本書紀の神話や七夕伝説に加え、「君の名は。」のスピンオフ小説に登場という、新たな逸話が加わった大甕神社から目が離せませんね。
ぜひ一度お立ち寄りください!

大甕神社の基本情報

大甕神社の御祭神

  • 主神:武葉槌命(たけはつちのみこと)
  • 地主神:甕星香々背男(みかぼしかがせお)

大甕神社のご利益

国土開発、国家安寧、開運、勝負運

住所&アクセス

〒319-1221 茨城県日立市大みか町6丁目16−1

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